目指せ配当生活!配当太郎の米国株ブログ

年間配当300万を目指すブログです。

20年持てば元本割れなし。ただ、受け取る金額の幅は102万円から145万円へ広がっていました|金融庁「長期投資の運用成果」の図の読み方【NISA早わかりガイドブック/2026年版】

記事のヘッダ画像。「金融庁の図をよく見ると」「20年持てば元本割れなし。ただ 金額の幅は広がる/145万円」「「元本割れしない」と「金額が決まる」は別」の見出し文字と、驚いた表情の生徒キャラクターが並んだテキスト主体のバナー(グラフは描かれていない)

「長期で持てば安全」の根拠として、よく貼られる図があります。金融庁がNISAのガイドブックに載せている「長期投資の運用成果」。棒グラフが二つ並んでいて、20年のほうは「元本割れ」と書かれた帯に棒が一本もありません。

この図に、嘘はありません。金融庁が都合の悪い数字を伏せている、という話でもありません。

ただ、その図の縦と横に何と書いてあるかを読むと、測っているものが「あなたが受け取る金額」ではないことが分かります。しかも金額のほうは、同じページに数字が載っています。引き算をすると、幅は5年の102万円から20年の145万円へ広がっていました

生徒
先生、長期で持てば安全ってよく言われますよね。国が配ってる冊子にグラフが載ってるって聞きました!
先生
ええ、金融庁の「NISA早わかりガイドブック」ですね。
生徒
じゃあ、もう答えは出てるじゃないですか!
先生
そのグラフの、縦と横に何と書いてあるか。今日は、そこから確かめましょう。
続きを読む

ROEを上げるいちばん簡単な方法は、稼ぐことではありませんでした|利益が18.9%減った2年で34.9%→63.9%【ROEの分母と自社株買い/2026年版】

ROEを上げるいちばん簡単な方法 稼ぐこと? いいえ、返すこと

「ROEが高い会社は、いい会社」。株の入門書にも、証券会社の解説ページにも、そう書いてあります。ただ、そのROEは配当や自社株買いでも動く数字です。ROE(自己資本利益率)は、株主が預けた元手でどれだけ稼いだかを示す割合。高いほど効率よく稼いでいる——それ自体は、そのとおりです。

ROEは割り算です。割り算には、分子と分母があります。分子は利益。問題は、分母のほうです。

ここに、あるハンバーガーチェーンの数字があります。2年のあいだに純利益は18.9%減り、ROEは34.9%から63.9%へ上がりました。何が起きたのか、数字をたどります。

続きを読む

利回り4%なら18年で倍。税を引いて数え直したら24.5年でした|「72の法則」に配当利回りを入れると何が起きるか【倍増年数の出し方/2026年版】

72の法則 18年で倍のはずが 税を引くと24.5年

高配当株を調べていると、こういう計算に出会います。「利回り4%なら、72÷4で18年。18年持てば資産が倍になる」

100万円が200万円に。18年なら、そう遠くない未来です。この暗算は「72の法則」と呼ばれていて、投資の入門書にもよく出てきます。

ただ、この式に配当利回りを入れた瞬間、私たちはいくつかの条件を、口に出さないまま前提にしています。答えは、同じ4%のままで18.0年から24.5年へ動きます。

続きを読む

「積立か一括か」の論争は、あなたの毎月の積立の話ではありませんでした|ドルコスト平均法が指す二つの別のこと【積立と一括/2026年版】

「積立が有利」と説明する金融庁の図も、「一括が有利」と示すバンガードの研究も、比べていたのは手元にある4万円の入れ方だった。どちらも、毎月の給料から積む人の話ではない

毎月おなじ額を積み立てる。ドルコスト平均法という名前がついていて、価格が高いときは少なく、安いときは多く買えるから有利だと言われます。一方で「いや、一括で入れたほうが成績は良い」という話も聞きます。私も月々の積立をしていますし、この論争をなんとなく眺めていました。

ところが、その論争の両側が使っている資料を開いてみたら、どちらも比べていたのは毎月の給料ではありませんでした。すでに手元にある4万円を、今日ぜんぶ入れるか、4回に割って入れるか。積立を勧める側も、一括を勧める側も、そこを論じていたのです。

生徒
先生、積立って「ドルコスト平均法だから有利」って言われますよね。でも「一括のほうが勝つ」って言う人もいて、ボクどっちを信じればいいのか。
先生
その説明、たいてい図がセットになっていますよね。今日はその図のほうを見てみましょう。
生徒
図って、あの階段みたいなやつですか?
先生
ええ。価格が上下する4か月ぶんが並んでいる、あれです。あの図が何と何を比べているか、覚えていますか。
生徒
えっ……毎月コツコツ買うのと、買わないのと?
先生
そこなんです。比べている相手は「買わない」ではありませんでした。
続きを読む

その34年は、配当を1円も数えていません|日経平均「34年ぶり最高値」を配当込みで数え直す【失われた30年・TOPIX/2026年版】

その34年は、配当を1円も数えていません 日経平均「34年ぶり最高値」を配当込みで数え直す

2024年2月、日経平均株価が34年2カ月ぶりに最高値を更新しました。ニュースはその「34年」という数字を何度も繰り返しました。バブルの高値に戻るまで34年かかった国。失われた30年。そういう文脈で、この年数は使われます。

ここで、ひとつクイズです。1989年の年末——日経平均が当時の史上最高値をつけた、まさに天井のタイミングで日本株を買って、そのまま持ち続けた人がいたとします。30年後、その人の資産はどうなっていたでしょうか。

多くの方が「半分くらい」と答えます。そして、その答えは間違っていません。日経平均は長いあいだ、1989年末の半分を下回っていました。ただ、この話には足りないものが1つだけあります。それは配当です。この記事では、同じ30年を「価格だけ」と「配当も数える」の2つの物差しで並べ直します。

生徒
ニュースで「34年ぶりの最高値」って聞くたびに、日本株ってそんなにダメだったんだ……って思っちゃうんです。
先生
その34年は、正しい数字です。確かめたいのは年数ではなく、それが何を測った34年なのかです。
続きを読む

そのポイント、増えていても株は1株も持っていません|「ポイント運用」と「ポイント投資」の違い【楽天・PayPay/2026年版】

そのポイントは増えていても株を1株も持っていない ポイント運用とポイント投資の違い

買い物で貯まったポイントが、気がつくと数千ポイント。使い道を探していたら「ポイント運用」の案内が出てきて、なんとなく入れてみた——という人は多いと思います。名前のよく似た「ポイント投資」とは、別のサービスです。

私もそうでした。数日おきにのぞくと、少し増えている日があり、減っている日もある。それまで素通りしていた株価のニュースが、少しだけ自分ごとになる。始めるきっかけとしては、よくできた仕組みだと思います。

ただ、そこで増えたり減ったりしているものが何なのかは、説明書きを開くまで分かっていませんでした。開いたら、一文で書いてありました。

生徒
先生、ポイントが3,000たまったので、運用にまわしてみました!これでボクも株主ですよね!
先生
いい流れですね。ただ、その「運用」は、株を買っているわけではないかもしれません。説明書きを一緒に開いてみましょうか。
生徒
えっ、買ってないんですか?
続きを読む

「ダウの犬」は勝っていました。ただし"統計的に"だけ|ルールで高配当を選ぶ前に【2026年版】

「ダウの犬」は勝っていました ただし"統計的に"だけ ルールで高配当を選ぶ前に

配当利回りの高い順に10銘柄。毎年それを並べ直して買い替えるだけで、市場に勝てる——1991年に出た一冊の本をきっかけに、この考え方が広まりました。方法はのちに「ダウの犬」と呼ばれるようになります。

いまも「単純なのに効く」と紹介されることがあります。そして、この戦略をきちんと検証した研究も残っています。

結論から書きます。勝っていました。ただし"統計的に"だけです。この「ただし」に何が入るのかが、今日の話のほとんどを占めます。

続きを読む